平川風月堂が閉店しました

bon

ついにこの時が来てしまいました。いつかは避けられぬ道とは知りながら…
1939年創業、京都の洋菓子界きっての老舗であった平川風月堂が3月20日、きょうで閉店となりました。
(京都では、明治創業くらいで老舗とは呼べないという無言のルールみたいなのがありますが、洋菓子で終戦前の創業なら老舗でもよろしかろう)
親が店頭で確認してきて、ちょっと前に連絡がありました。私が2月中旬に訪問した際には、まだ閉店の案内は出ていませんでした。



P1060749.jpg



私の洋菓子の味覚を作った店。
幼少期からいろいろとお世話になってきましたが、
特にザッハトルテは、生クリームが小さなカップで別添えになっていて、あの美味しさは今でも忘れることができません。
確か2代目がスイスで修行された方で、、その方が作っておられたとか聞いたような…(お店で聞いたのですが、だいぶ前のことなので忘れてしまいました)



子供の時からショートケーキは興味がなくて、チョコレートのケーキかチーズケーキばかり食べていました。その当時は祖父母か親が買ってくるので、自分で選んだことはあまり記憶にありませんが、シュークリームやバウムクーヘン、削ったチョコレートの乗った丸いケーキが好きでした。
風月堂のザッハトルテを初めて食べたのは私が中学生の頃だったかと思います。あれは店頭で見て、私がこれがいいと選びました。ザッハトルテの並んだショーケースの様子が目に浮かびます。しかしその当時はいっときあったのに、2代目が退かれてからはお目にかかることがなく。
ドイツやオーストリアで美味しいザッハトルテを食べても、記憶の中で思い出す平川風月堂のザッハトルテにまさるものはありません。生クリームもとってもおいしかった。
二度と食べられないとわかっているから余計にそう思ってしまうんだろうけど。
私が今もザッハトルテにこだわっているのは、子供ながらに衝撃だったあの味を求め続けているのかもしれないですね。



シュークリームも、もうこの味が二度と食べられないと思うと、代わりが見つかるとも思えないし、絶望のような気持ちです。
私の夫みたいに食べ物にこだわりがなく、「ここのこれが大好きでこれじゃないと駄目」というのが無いほうが、人生は楽かもしれぬ。
※なので、「風月堂が閉まるねんて…」と夫に話しても共感が得られず。仕方ないけど虚しい。男兄弟で育った人には、女は共感してほしいだけなのにというのがわからないらしい。



昔は高島屋京都店にも店舗があり、また京都駅でもシュークリームを売っていたりしていたようです。
また、つい最近まで祇園に店があったので、京都の人のみならず多くの人が口にされたことがあると思います。
京都の洋菓子の歴史において重大な店。無くなってしまうのはとても悲しいです。
本当に本当に、残念でなりません。
今まで長い間ありがとうございました…



平川風月堂
※この記事を作成したのは数日前で、その時はまだホームページが見られたのに、今はもう削除されてしまったみたいです…
関連記事
Posted bybon

Comments 10

コメントはまだありません
hiro

お気に入りのお店がなくなるってほんと寂しいですね。このお店はbonさんにとっては特に思い入れがあったようで・・・。
また、こういうお店が見つかるといいですね!

おわん

「かわりがみつからない」ほど愛されて、お店もきっと幸せですよ。幼かったbonさんの土台を作ったお菓子を食べてみたかったです。

  • 2019/03/21 (Thu) 15:41
  • 返信
robbie

bonさま
こんばんは。
残念ですね。こちらのお店の関係者の方が、
この記事を読んでくれると良いですね。
bonさんの愛が伝わりますように。
いや~、私もこちらのケーキ、食べてみたかったな。

真っ当な職人さんが、真っ当に作って商売
されているお店。無くならないで欲しい。

  • 2019/03/21 (Thu) 19:09
  • 返信
bon
bon
●hiroさん●

こんばんは。
ありがとうございます!
悲しいですが、仕方のないことですね。
原材料を見ながら作ってみます(笑)

  • 2019/03/21 (Thu) 22:41
  • 返信
bon
bon
●おわんさん●

おわんさん、いつもあたたかいメッセージをありがとうございます。お気持ちに元気付けていただきました。ケーキを食べる時というのは楽しい時。そのさまざまな時の思い出が蘇り、涙してしまうほどでした。
でも、パティシエの平川さんも高齢になられていました。残念だと嘆くばかりではなく、これまでお疲れ様でしたと感謝して、またこれから出会える物事を楽しみにしたいです。

  • 2019/03/21 (Thu) 23:30
  • 返信
bon
bon
●robbieさん●

こんばんは。

パティシエの平川さんも高齢になられていたので…仕方ないのですが…
最近はいくらでも美味しい洋菓子の店があり、行列するような店もあります。若いパティシエでもお弟子さんが絶えない店もあるのに、ここはどうして後継者がないのか…と悔やまれます。
(じつは一時は後継者があるらしく安心していたこともあったのです。が、どんな事情があるかわかりませんし、触れられず…)

祖母がここのシュークリームが大好きで、母、私ときていて、母は死ぬ前にここのシュークリームが食べたいと言っていたので、それを考え直すらしいです(^_^;)

いつも励まして元気付けて下さり、本当にありがとうございます( ; ; )

  • 2019/03/21 (Thu) 23:40
  • 返信
チャイ

平川風月堂さん、閉店しはったんですか?ショックです、、、。20年前、建て替え前の京都駅の2階に京都駅観光デパート(現CUBE)に委託で入ったはって、私、平川さんのケーキ販売してました。そやからむっちゃショックです、、、。

  • 2020/03/26 (Thu) 01:22
  • 返信
bon
bon
To チャイさん

なんと平川風月堂のケーキを売っておられた方からのコメントありがとうございます。京都駅でも売っておられたというのは聞いていました。はい、残念ながら閉店してしまいました。その後しばらくして、お店の場所を見に行ったら更地になっていました。ひとつの時代が終わった感じですね。ブログに書いていませんが、最後に平川さんにご挨拶させていただくことができました。悲しいけど、長い間お疲れ様でしたという気持ちです。同じ気持ちをシェアできる方からコメントいただき嬉しいです。

  • 2020/03/26 (Thu) 22:00
  • 返信
チャイ

bonさま。
今他県に住んでるので、とても残念で悲しいです。
平川さんにご挨拶できてよかったですね。
京都駅の店舗まで、平川さんがケーキを配達してくださってました。
よく、売れ残りのケーキをいただいて食べてました(笑)
マロニエが残った時は嬉しかった(笑)
リーフパイは崩れやすく、崩れているのは
返品となるのもいただいて食べてました(笑)
平川さんにお願いして、私の妹が平川さんに就職してパティシエしてました。
朝の配達で、このアップルパイは妹ちゃんが焼いたやつやでー。ってやりとりがあったりしました。
なので平川風月堂さんには特別な思い入れがあります。
bonさまのように共感できる方がいることが
とても嬉しいです。

  • 2020/03/27 (Fri) 00:40
  • 返信
bon
bon
Re: チャイさん

そうですか、平川さんご本人が配達を…
売れ残りのケーキが食べられたなんてすごい〜!
しかも返品のリーフパイまで。従業員の特権ですよね、羨ましい〜!(笑)
>リーフパイは崩れやすく…
のくだりには思わず笑ってしまいました。めっちゃ食べてる(笑)

マロニエは、栗嫌いな私も大好きでした。いまもあの黄色い見た目を手に取れるように思い出しますし、クリームの香りがしてくるようです。
妹さんがパティシェとしてお世話になっておられたとのことで、雇用主とイチ従業員を超えたご関係があったのですね。妹さんが作られたお菓子が売れた時はチャイさんも嬉しかっただろうなと思いました。私も、チャイさんの妹さんが作られたお菓子を食べたかもしれませんね。

携わっておられた方だけが知り得る貴重なお話を聞かせてくださり、本当にありがとうございます。

私はきょうで閉店という日まで迷っていましたが、仕事を休んで駆けつけました。よく晴れた日で、お店にはいちごのショートケーキのみが2段のショーケースに並び、平川さんが店頭に立って客ひとりひとりに挨拶をされていました。
私は、これまでの感謝をのべたうえで「シュークリームが食べられなくなるなんてどうしたらいいのか」みたいなことを口走ってしまいました。
すると平川さんはあっけらかんとした笑顔で「それはまた何かかわりのものを見つけるしかありませんね」と言われました。
私は悲しんでいるけれど、平川さんにしてみればやりきった達成感や、肩の荷がおりたような感じなのかなと思いました。無理をしてでも行ってよかったです。
私がお店を辞去するとき、足の弱ったご老人がご家族の助けを借りながらお店に来られました。車から降りるのもお一人ではできないご様子なのに、最終日だから来られたのかと思うと胸が熱くなりました。
この話はブログに書くことができなくて胸にしまっていましたが、チャイさんに聞いてもらいたくて書かせていただきました。こちらこそコメント寄せてくださりありがとうございます。

ちなみに後で知ったのですが、同じ日に私の実家の親も行っていました。どちらかというと母のほうがシュークリームとの別れが辛かったみたいで、今も出かけるたびにどこかで買ってきては「ちょっと違う…」とか言っています。今度実家へ行った時に、チャイさんからのお話を聞かせるつもりです^ - ^
昔は今のように洋菓子店がいくらでもあるわけではなかったですから、母にとっては存在の重さが違うんですね。チャイさんのお話を聞いたら喜ぶと思います。いまだに「死ぬ前に食べるのはあのシュークリームがよかった」「月に一回でも良いからシュークリームを作ってもらえないだろうか」などと申しています(^^;